ノミダニ予防
2015.05.15
当院ではイヌ用、ネコ用ともにノミダニ予防薬は首筋につける液体(スポットタイプ)のものを常時ご用意しております。処方のいらない(したがって診察のいらない)お薬になりますので、飼い主の方のみの来院でも購入いただくことが可能です。
ノミ、ダニのスポットタイプではなく錠剤として現在販売されているお薬は現在国内販売の無くなった一種類を除き、全てがイソオキサゾリン系という一群のお薬に属します。この成分は非常にまれな例ながら副作用として神経症状を示すことが米国で報告されています。そのため当院ではいずれの錠剤のタイプのノミ、ダニ薬も常備をして服用をお勧めすることはしておりません(この副作用の可能性を説明させていただき、それでも購入を強く希望される飼い主の方に限り錠剤のタイプのものを取り寄せさせていただいております)。
重症熱性血小板減少症候群(STFS)のヒト、イヌでの感染が県内で報告されました。犬猫のノミダニ薬のほとんどがまずダニに吸血され、その際に薬効成分をダニが血液と同時に吸い入れることが前提ですので、吸血によりダニから移るウイルスをノミダニ薬が完全に止めることはおそらくできません。それでも過度の吸血を止めるためにノミダニ薬は使用することは最低限必要でしょう。そのうえで、特にダニのつきそうな草むらなどにはヒトも咬まれますのでイヌネコを自由に入り込ませないという注意が必要かと思います。
ちなみにノミダニの予防の時期はおおよそフィラリア予防の時期と大きく変わらないと考えていますが、可能性としてノミの卵は人が外から持ち込んだ場合に室温が10度以上あれば冬の間もワンちゃん、ネコちゃんに感染の可能性があります。大型犬であれば冬でも外で長時間の散歩が必要になるでしょうから、ノミダニの予防が必要になるでしょう。