歯の検査をしましょう
2015.07.04
イヌ、ネコでは歯の問題は人の虫歯で連想する歯の表面の穴があくことよりも歯の根元の根腐れが問題となります。口腔内に存在する悪玉菌によるこの歯根の根腐れは、歯の根元だけでなくそれを支える頭やあごの骨もとかします。進行すると「口鼻瘻」という歯の付け根から鼻までぬける穴になって常に鼻炎をおこして血液をともなう膿をくしゃみで出すようになったり、頬の皮膚に穴があき血まじりの膿をだしたり、涙管を通して目の方に膿が出るようになったりします。
歯垢が歯石の状態になると歯の付け根に歯垢が入り込みやすい隙間をつくります。ご自宅での歯のケアは歯垢までならできますが、歯石になってしまうと病院で削り取る必要があります。
歯の根元の膿が鼻に入ったのち、鼻汁と共に誤嚥して肺に入ると細菌性の肺炎に移行する可能性があります。歯の根元の膿だまりは近くの血管に細菌を供給する元となります。そこから血流に入った細菌は心臓の内膜に炎症を起こす細菌性心内膜炎や、脊椎の血管に至り脊椎を溶かして脊髄神経の圧迫をおこす椎間板脊椎炎の原因になるとも言われています。
歯石の形成は悪い細菌が口腔内で主に増えている証拠と判断しても良いです。歯石を除去し、歯垢、即ち悪い菌の管理を行う事が歯のケアとなります。